猿子(読み)ましこ

精選版 日本国語大辞典 「猿子」の意味・読み・例文・類語

まし‐こ【猿子】

〘名〙
① 「さる(猿)」の異名
アトリ科に属し、雄の羽色が紅または桃色を帯びた鳥の総称。大きさ、体形スズメに似ている。多くは寒帯性で、小群で雑木林にすみ木の実などを食べる。北海道で繁殖し本州以南に渡来するベニマシコ大雪山のハイマツ帯で繁殖するギンザンマシコのほかオオマシコ、ハギマシコなどがあり、近縁種は世界に三十数種ある。ましこどり。《季・秋》
夫木(1310頃)二七「ましこゐるゐのくつちはらうちはらひみきはかたてし昔こひしも〈源仲正〉」

さる‐こ【猿子】

〘名〙 (「こ」は接尾語)
江戸時代民間で用いた胴着。猿まわしの猿の着た胴着に似ているところからいう。さるっこ。猿羽織。《季・冬》 〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕
墨縄一端に結びつけてある短い錐(きり)仮子(かりこ)。〔紙上蜃気(1758)〕

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デジタル大辞泉 「猿子」の意味・読み・例文・類語

まし‐こ【猿子】

スズメ目アトリ科のマシコ属などの鳥の総称。スズメに似た大きさ・体形で、一般に雄は赤色をしている。日本ではベニマシコ・ハギマシコ・ギンザンマシコが繁殖し、アカマシコ・オオマシコが冬鳥として少数渡来。ましこどり。 秋》

さる‐こ【猿子】

猿回しの猿が着るものに似ているところから》江戸で、綿の入った袖無し羽織。主に子供が着るが、女性胴着にも用いる。さるっこ。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「猿子」の解説

猿子 (マシコ)

動物。アトリ科に属する鳥の一部の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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