猿ヶ石川(読み)サルガイシガワ

デジタル大辞泉 「猿ヶ石川」の意味・読み・例文・類語

さるがいし‐がわ〔‐がは〕【猿ヶ石川】

岩手県中部を流れる川。遠野市北部の薬師岳(標高1645メートル)に源を発し、遠野盆地を流れ花巻市北上川に合流する。長さ73キロ。上流田瀬湖、また支流の洗足川にはカッパ伝説で有名なカッパ淵がある。

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日本歴史地名大系 「猿ヶ石川」の解説

猿ヶ石川
さるがいしがわ

北上川の最大支流で、流路延長約七三キロの一級河川。遠野市北部の薬師やくし(一六四四・九メートル)水源としてほぼ南流、早瀬はやせ川を合せて西に転じ、上閉伊かみへい宮守みやもり村・和賀郡東和とうわ町を曲流しながら北西に向かい、花巻市で北上川に合流する。川名はアイヌ語で茅が多く波音高き所を意味するともいう(遠野史叢)。内陸部の重要河川で、支流として東禅寺とうぜんじ川・あら川・小烏瀬こがらせ川・五日市いつかいち川・来内らいない川・砂子沢いさごさわ川・山谷やまや川・小友おとも川・宮守川・達曾部たつそべ川・毒沢どくさわ川などがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「猿ヶ石川」の意味・わかりやすい解説

猿ヶ石川
さるがいしかわ

岩手県中部,遠野市北境早池峰連峰の薬師岳 (1645m) に源を発して南流し,遠野市街地付近から遠野盆地を西流し,花巻市北上川に注ぐ川。 1954年中流に北上川水系の五大ダムの一つ田瀬ダムが完成し,治水発電農業水利に効果をあげている。田瀬湖は夏はコイとヘラブナ,冬はワカサギの氷上穴釣りでにぎわう。猿ヶ石川はアユ,ウグイ,コイなどの釣場でもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「猿ヶ石川」の意味・わかりやすい解説

猿ヶ石川
さるがいしがわ

北上川(きたかみがわ)の支流の一つ。岩手県中央部早池峰山(はやちねさん)南方の薬師岳に発して南流し、遠野(とおの)盆地を流れ、花巻市の中心部で北上川に注ぐ。延長71キロメートル。1954年(昭和29)中流に田瀬ダムが完成し、治水、発電とともに、下流部に約6000ヘクタールの開田をみた。上流の附馬牛(つくもうし)付近は花崗(かこう)岩が階段状に侵食されて滝をつくり、ツツジや紅葉時は美しい。淡水魚も豊富で簗場(やなば)もあり、県内有数の釣り場として訪れる人が多い。

[川本忠平]

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