ことわざを知る辞典 「猿も木から落ちる」の解説
猿も木から落ちる
[使用例] 老弁護士の無念さがよく理解できた。〈略〉信頼関係にあった依頼人に丸め込まれていたのである。
「猿も木から落ちると言うじゃありませんか? 苦になさらないほうがいいですわ」
彼女は、爺さんを慰めた。
「猿だと? お前さん、減らず口を叩くな」[和久峻三*騙すつもりじゃなかったのに|1985]
[使用例] 「ごめんなさいね」とマリ子は、ぼくの体に
[解説] 子どももよく知っていることわざで、小学校低学年でこの表現に出会って、ことわざに興味を持つことが多いようです。この時期には、ことわざが文字どおりの意味だけではなく、比喩として使われることがわかり、ことわざのユーモアも感じられるせいでしょう。サルは、ユーモアや笑い(ことわざの重要な要素の一つです)につながる一種のキャラクターで、子どもに人気があり、「猿の尻笑い」や「見ざる聞かざる言わざる」にも登場します。
なお、このことわざには、多くの類句がありますが、いつでもどれを使ってもよいわけではなく、相手との関係やその場の雰囲気など、状況に応じて使い分けるセンスが必要になります。
[類句] 弘法にも筆の誤り/河童の川流れ/上手の手から水が漏れる
〔朝鮮〕원숭이도 나무에서 떨어진다(猿も木から落ちる)
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