狸掘り(読み)たぬきぼり

改訂新版 世界大百科事典 「狸掘り」の意味・わかりやすい解説

狸掘り (たぬきぼり)

地表露頭から鉱石を追って,無計画に掘り進む採掘のやり方をいう。タヌキ巣穴に似た不規則な採掘のあとが作られるところから出た呼名。開発技術未発達時代の採掘法である。
採鉱
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狸掘り」の意味・わかりやすい解説

狸掘り
たぬきぼり
gophering; coyoting

鉱体に沿って比較的高品位の部分を正規の勾配鉱画などをつくることなしに無秩序に採掘する小規模な採鉱 (炭) 法。英語による呼称は,採掘の不規則さがゴファー (アメリカジネズミ) やコヨーテの巣作りに似ているところによるという。手掘りで行われることが多く,採掘跡はそのままで,規則的な支保充填などはほとんど行われない。機械類が未発達で,採掘技術も幼稚な昔はよく行われたが,現在でも支保をほとんど要しない小規模な鉱体や炭層露頭部の採掘には用いられることがある。

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百科事典マイペディア 「狸掘り」の意味・わかりやすい解説

狸掘り【たぬきぼり】

地表の露頭から鉱石を追って無計画に掘り進む採鉱法。技術の未発達な時代に小規模稼行(かこう)の場合に行われた。採掘跡が狸穴のようになるためこの名がある。
→関連項目採炭

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