独立住宅(読み)どくりつじゅうたく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「独立住宅」の意味・わかりやすい解説

独立住宅
どくりつじゅうたく

他の住戸から一戸独立して建てられた形式の住宅。一戸建住宅のこと。共同住宅や長屋建住宅に対する語。外観上長屋建住宅のように見えても、隣接する住戸との間で棟木(むなぎ)が分離しており、各住戸にそれぞれ独立した戸境壁をもつ場合は独立住宅である。独立住宅は、接地することによる安心感、地面の利用価値、増改築の容易さなどの特質がある。また庭面積や隣戸間隔が十分にあればプライバシーや良好な日照通風を確保できるが、敷地面積が狭小な場合にはむしろ周辺環境が劣悪になることがある。独立住宅は共同住宅などと比べて一般に一戸当りの敷地面積が大きく、住宅地としては居住密度が低くなり、一戸当りの道路面積、上下水道など都市施設の整備費用も大きい。

[多治見左近]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の独立住宅の言及

【集合住宅】より

…一般には複数の住戸が集合して1棟を構成する住宅をいう。他の住戸に接合せず1戸が独立している独立住宅と対置されるものであるが,独立住宅の中でも一団として計画され建設されたものは集合住宅に含むこともある。集合住宅と関連して共同住宅,集団住宅などの呼名もあるが,共同住宅は複数の住戸が階を重ねて集合して1棟を構成する形式のものをいい,これに対して各戸が地面に接しているものは連続住宅という。…

【長屋】より

…棟の細長い平面の建物を区切って,複数の世帯で住み分ける住居形態。一つの敷地に建てられた建物に一世帯が住んでいる〈独立住宅〉に対して,複数の世帯が一つの建物に住む住居形態を〈集合住宅〉と呼ぶが,長屋は江戸時代以前におけるその一般的な形態である。 日本では長屋は古くからさまざまな形で存在し,奈良時代の寺院の僧の住居であった僧坊も長屋形式である。…

※「独立住宅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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