デジタル大辞泉
「狩装束」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
かり‐しょうぞく ‥シャウゾク【狩装束】
〘名〙
② 平安末期から、武士が狩をする時の装束。狩衣、水干または
直垂(ひたたれ)を着け、
行縢(むかばき)をはき、
綾藺笠(あやいがさ)あるいは竹笠をかぶり、太刀腰刀を佩用、矢などを所持する姿。
かりそうぞく。
※中院本平家(13C前)一〇「かりしゃうそくしたる武士、十四五騎行あひたてまつる」
※幸若・
夜討曾我(室町末‐近世初)「和田の義盛かりしゃうぞく、たかすへて
御供なり」
③ 召具の装束。冠、
褐衣(かちえ)、狩袴、葈脛巾
(いちびはばき)などからなる姿。
④ 女子の遠行の時の装束。
※
梅松論(1349頃)上「武士等関東の命に任て前後を加護し奉る。次に准后于時三位局。其外狩装束の
女房。
馬上にて両三人。
殿上人には六条少将忠顕〈略〉一人閑道を
供奉す」
かり‐そうぞく ‥サウゾク【狩装束】
※後撰(951‐953頃)恋二・六七九・
詞書「しのびてかよひ侍ける女のもとより、かりさうそくおくりて侍けるに、すれるかりぎぬ侍けるに」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
狩装束 (かりしょうぞく)
狩衣(かりぎぬ)装束のこと。〈かりそうぞく〉ともいう。また狩の御衣(おんぞ)ともいった。中世以後,狩衣が一般の服装になったため,とくに鷹狩や武家の狩猟の装束をいうこともあった。鷹狩など中古の装束では,狩衣,腹纏(はらまき),小手(こて),行縢(むかばき),草鞋(わらぐつ)などからなり,武家の狩猟では直垂(ひたたれ)に行縢をつけ野太刀,綾藺笠(あやいがさ)の装束をさした。
→狩衣
執筆者:日野西 資孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
狩装束
かりしょうぞく
狩猟の際に用いる装束のこと。鎌倉時代の典型例では,萎烏帽子 (なええぼし) に綾藺笠 (あやいがさ) をかぶり,直垂 (ひたたれ) を着,行騰 (むかばき) と呼ぶ腰から脚部をおおう毛皮を着け,尻鞘 (しりざや) と呼ぶ毛皮の袋でおおった野太刀を帯びている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の狩装束の言及
【狩装束】より
…狩衣(かりぎぬ)装束のこと。〈かりそうぞく〉ともいう。また狩の御衣(おんぞ)ともいった。中世以後,狩衣が一般の服装になったため,とくに鷹狩や武家の狩猟の装束をいうこともあった。鷹狩など中古の装束では,狩衣,腹纏(はらまき),小手(こて),行縢(むかばき),草鞋(わらぐつ)などからなり,武家の狩猟では直垂(ひたたれ)に行縢をつけ野太刀,綾藺笠(あやいがさ)の装束をさした。[狩衣]【日野西 資孝】…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」