狩場(読み)かりば

精選版 日本国語大辞典 「狩場」の意味・読み・例文・類語

かり‐ば【狩場】

〘名〙 鳥、獣を狩る場所猟場狩倉(かりくら)。かりにわ。狩山。《季・冬》
吾妻鏡‐建久四年(1193)五月二九日「祐泰去安元二年十月之比、於伊豆奥狩場、不図中矢墜命、是祐経所為也」
源平盛衰記(14C前)三九「兵衛佐殿、折節伊豆奥野の焼狩とて狩場(カリバ)御座(おはしまし)けり

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「狩場」の意味・読み・例文・類語

かり‐ば【狩(り)場】

狩りをする場所。猟場。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「狩場」の意味・わかりやすい解説

狩場 (かりば)

野生鳥獣を捕らえるため指定されている場所。中世には領主娯楽のための狩場が,鹿倉(かくら)などの名で指定され,多くは無人の地区で,その使用権は一種の特権として譲渡された。狩場では定まった作法や言葉が用いられたことは,《狩詞記》または《高忠聞書》などにその一端が示され,また現在九州方面に残存する民間の狩猟秘伝書からも断片的にうかがわれる。近世には徳川将軍や各藩主のみが鷹狩りのための狩場を所有することが許され,その付近では住民の生活上種々の制約が規定されていた。たとえば射撃の禁止,大声を出すことの禁止,農作物を荒らす鳥獣駆除の限定などがあり,住民生活上の困難があった。その他戦闘訓練を兼ねた狩りを行う狩場もあって,シカイノシシなどの大型野獣を棲息させたために,獣害が周囲に及ぶ場合もあった。関東では小金ヶ原(現在の千葉県西部の台地),西日本では岡山の竜ノ口山(現在の岡山市東部の丘陵)などがその例で,また阿蘇神社や諏訪大社にも祭儀のための狩場があった。
狩倉
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の狩場の言及

【鷹場】より

…留場,狩場ともいう。本来は領主が放鷹(ほうよう)(鷹狩)を行う場所のこと。…

※「狩場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android