狢・貉(読み)むじな

精選版 日本国語大辞典 「狢・貉」の意味・読み・例文・類語

むじな【狢・貉】

〘名〙
① 「あなぐま(穴熊)」の異名。《季・冬》
※書紀(720)垂仁八七年二月「是の犬、山の獣名を牟士那(ムシナ)といふを咋ひて殺しつ」
② 「たぬき(狸)」の誤称。狸の毛色が穴熊に似て、混同されることが多いところからいう。《季・冬》 〔文明本節用集(室町中)〕
③ (ふつう狸の皮でつくるところから) 「ふいご(鞴)」の異称。
※雑俳・柳多留‐三二(1805)「合槌は狐むじなは火をおこし」
④ (「同じ穴の狢」の略) 同類の悪党。
※雑俳・柳多留‐二七(1798)「むしなめらなぞと女房は寄せ付ず」

かく【狢・貉】

〘名〙 「むじな(狢)」の漢名。〔十巻本和名抄(934頃)〕〔列子‐湯問〕

もじな【狢・貉】

〘名〙 「むじな(狢)」の変化した語。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

線状降水帯

線状に延びる降水帯。積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらす。規模は、幅20~50キロメートル、長さ50~300キロメートルに及ぶ。台風に伴って発達した積乱雲が螺旋らせん状に分布する、アウターバンドが線状...

線状降水帯の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android