狒狒(読み)ひひ

精選版 日本国語大辞典 「狒狒」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ひ【狒狒】

〘名〙
オナガザル科ヒヒ属の哺乳類総称。体が比較的大きく、吻(ふん)が著しく長く、顔がイヌに似ている。マントヒヒギニアヒヒアヌビスヒヒなど。犬歯が長大で鋭く、足は長く、地上を歩くのに適する。雑食性で、小形の哺乳類を捕食することもある。アフリカアラビア半島南部に分布する。
※本朝文粋(1060頃)三・鳥獣言語〈菅原淳茂〉「猩猩能言。狒狒巧」 〔爾雅‐釈獣〕
年功を経て、老獪(ろうかい)な人のたとえにいう。
※洒落本・浪花今八卦(1773)桔梗卦「今引ている古(ふる)芸子(ヒヒ)のやうになりたるがいうたも金言也」
淫欲の盛んな中年以上の男をののしっていう語。「ひひおやじ」
※夢の女(1903)〈永井荷風一六半玉ばかりでも十人近く罪な事を為てえるぜ〈略〉怖しい狒々だなア」

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デジタル大辞泉 「狒狒」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ひ【××狒】

オナガザル科のうち、ヒヒ属とゲラダヒヒ属の哺乳類の総称。鼻口部が突出した独特の顔つきをし、雄は雌よりもがっしりしていて大きい。アフリカ・アラビアに、マントヒヒドグエラヒヒマンドリルゲラダヒヒなどが知られる。
年のいった好色な男をののしっていう語。「狒狒おやじ」
[類語]手長猿山猿野猿やえん野猿のざる・旧世界猿・尾長猿日本猿マント狒狒・新世界猿・尾巻猿蜘蛛猿

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