狂い咲き(読み)クルイザキ

デジタル大辞泉 「狂い咲き」の意味・読み・例文・類語

くるい‐ざき〔くるひ‐〕【狂い咲き】

季節外れに花が咲くこと。また、その花。狂い花返り咲き 冬》
(比喩的に)盛りを過ぎたものが、ある一時期、勢いを盛りかえすこと。
[類語]咲く開花満開爛漫花期花時早咲き遅咲き返り咲き二度咲き四季咲き室咲き綻びる開く花開く膨らむ咲き初める咲き乱れる咲きこぼれる・咲き競う・咲き揃う咲き匂う咲き誇る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版 「狂い咲き」の意味・わかりやすい解説

くるいざき【狂い咲き reflorescence】

帰(返)り咲きともいう。植物の開花は種によって一定の季節に定まっているが,これは日長その他の条件によって支配されている。それらの条件が乱されると,種特有の季節と異なった時に花を咲かせることがある。咲く時期が極限されているものほど,狂い咲きは顕著であり,秋にサクラが咲いたりすると世間をにぎわすことになる。開花の時期の決定は,花芽形成を誘導する機構と,開花するまでの諸条件を満たし続ける環境によるが,狂い咲きのみられるのが,植物個体のごく一部分や,特定の個体だけのことが多いことから,一定の環境条件が与えられても,個体の条件などによって,必ずしもつねに花芽形成・展開・開花にいたる道程が完成されるとは限らないといえそうである。

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