牽牛子(読み)ケニゴシ

デジタル大辞泉 「牽牛子」の意味・読み・例文・類語

けにご‐し【×牛子】

アサガオ別名。けんごし。
「うちつ―(=「うちつけ」ト「けにごし」「げに濃し」ヲ掛ケル)とや花の色を見むおく白露のそむるばかりを」〈古今物名

けんご‐し【×牛子】

アサガオ。また、アサガオの種子を乾燥したもの。漢方下剤などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「牽牛子」の意味・読み・例文・類語

けんぎゅう‐し ケンギウ‥【牽牛子】

〘名〙 アサガオの種子。漢方薬として用いられる。けんごし。
小右記‐正暦四年(993)五月二四日「至呵梨勒丸、無牽牛子作之由」

けにご‐し【牽牛子】

〘名〙 「けんごし(牽牛子)」の変化した語。
※古今(905‐914)物名・四四四「けにこし うちつけにこしとや花の色をみんおくしら露のそむる許(ばかり)を〈矢田部名実〉」

けんご‐し【牽牛子】

〘名〙 植物あさがお(朝顔)」の漢名。また、朝顔の種子の称。けにごし。〔伊京集(室町)〕

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「牽牛子」の解説

けんごし【牽牛子】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。ヒルガオ科アサガオの種子を乾燥させ粉末にしたもの。強い下剤作用がある。利尿剤としても用いられる。強い下剤である牽牛子丸、牽牛散に含まれる。下剤作用が強いので、注意が必要。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「牽牛子」の解説

牽牛子 (アサガオ・ケニゴシ;ケンギュウカ;ケンゴシ)

学名Pharbitis nil
植物。ヒルガオ科の一年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の牽牛子の言及

【アサガオ(朝顔)】より


[日本での歴史]
 日本のアサガオは,奈良朝の末期に遣唐使の一行によって中国から渡来したとか,朝鮮の百済(くだら)から持ち込まれたとかいわれるが,定説はない。中国ではアサガオを牽牛(けんご),種子を牽牛子(けんごし)といっている。薬用の種子は黒と白色のもので,利尿,殺虫をかねた峻下剤として,下半身の水腫,尿閉症の妙薬として珍重されたようである。…

※「牽牛子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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