特許電子図書館(読み)とっきょでんしとしょかん(英語表記)Industrial Property Digital Library

知恵蔵 「特許電子図書館」の解説

特許電子図書館

日本の特許庁が保有する特許権実用新案権意匠権、商標権などの産業財産権に関するデータベース。民間企業による有料特許調査、分析サービスもあるが、IPDLインターネットを通じて誰もが無料でサービスを受けられる点に特徴がある。日本語と英語で提供され、1999年3月にサービスを開始。明治以降の産業財産権情報など約5400万件の情報量を誇り、アクセス数は毎月約500万件。運営は独立行政法人工業所有権情報・研修館が行っている。特許庁が進める入口(出願)から出口(情報公開)までのペーパーレス計画の一翼を担うと共に迅速な情報開示を実現しており、出願公示制度を充実させる一助となっている。これにより、産業財産権に関わるパテントマップ(特許技術地図)作成、出願、権利化にあたっての先行調査、既存技術や権利の検索・活用が格段に容易になった。しかし、技術情報の宝庫であるIPDLには海外からも容易にアクセスできるため、海外での模倣品のキャッチアップスピードを速めるなど弊害も指摘されている。

(桜井勉 日本産業研究所代表 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

産学連携キーワード辞典 「特許電子図書館」の解説

特許電子図書館

「特許電子図書館」とは、インターネットを利用して特許庁が保有する産業財産権情報を閲覧できるサービスで、誰でも無料で利用できる社会共通の財産として提供することを目的としている。「特許電子図書館」では、特許・実用新案意匠・商標の検索をはじめ、外国文献検索・審判検索・経過情報検索・文献蓄積情報などの各種検索サービスを利用することができる。

出典 (株)アヴィス産学連携キーワード辞典について 情報

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