物色(読み)ブッショク

デジタル大辞泉 「物色」の意味・読み・例文・類語

ぶっ‐しょく【物色】

[名](スル)
多くの中から、適当な人や物を探し出すこと。「手ごろなマンション物色する」「空巣が家の中を物色する」
物の色や形。また、景色風物
「秋八月、―を見て作る」〈・一五九九・左注
[類語](1模索詮索検索手探り求める探す探る尋ねるあさる探し求める見出す探り出す探し出す探り当てる探し当てる探りを入れる探し物捜索渉猟家捜し穿鑿ほじくる粗探し探求探検探査探索

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精選版 日本国語大辞典 「物色」の意味・読み・例文・類語

ぶっ‐しょく【物色】

〘名〙
① 物の色。また、景色や風物。
万葉(8C後)八・一五九九・左注「右、天平十五年癸未秋八月見物色作」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一「況んや〈略〉物色をも分つべからざる暗夜をや」 〔雍陶‐崔少府池鷺詩〕
産物や貢納品。国家間のおくり物。また、みつぎものとしておくられる物。
※玉葉‐承安二年(1172)九月一六日「自大宋国物于法皇、并平相国入道等云々、其注文云、賜日本国王物色、送太政大臣物色云云」
③ (━する) 多くの中から求めるべき人や物や形状などを捜すこと。
史記抄(1477)一一「尹喜が老子を物色して求て著させたぞ」
※鎚一下(1913)〈森鴎外〉「先づ三等の待合室を物色(ブッショク)した」
※鼻(1916)〈芥川龍之介〉「内供はかう云ふ人々の顔を根気よく物色(ブッショク)した」 〔後漢書‐厳光伝〕
④ (━する) 見てそれと断じること。
三四郎(1908)〈夏目漱石〉三「慥かに水蜜桃だと物色(ブッショク)した」

もの‐いろ【物色】

〘名〙 物事様子有様。特に、戦(いくさ)の様子。また、いくさ。
上杉家文書‐(永祿一三年)(1570)四月一九日・北条氏康書状「信玄者、去一六、集人数、急速出張之由申候、雖然、境目至于今日、物色不見得候」
仮名草子可笑記(1642)五「もの色(イロ)、軍ばい等、見おぼえ習ふものなり」

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普及版 字通 「物色」の読み・字形・画数・意味

【物色】ぶつしよく

犠牲毛色。また、風景人物のすがた。〔後漢書、逸民、厳光伝〕光武位にくにび、乃ち名姓を變へ、身を隱して見(あら)はれず。、其の賢なるを思ひ、乃ち物色を以て之れを訪はしむ。

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