物理定数(読み)ブツリテイスウ(英語表記)physical constant

デジタル大辞泉 「物理定数」の意味・読み・例文・類語

ぶつり‐ていすう【物理定数】

物質状態に関係なく常に一定の値をもつ物理量、および物理法則中に現れる定数万有引力定数プランク定数など。

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精選版 日本国語大辞典 「物理定数」の意味・読み・例文・類語

ぶつり‐ていすう【物理定数】

〘名〙 物質の状態とは関係なく、常に一定の値を持った物理量または物理法則の中に現われる定数。電子電気量プランクの定数など。〔電気工学ポケットブック(1928)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「物理定数」の意味・わかりやすい解説

物理定数
ぶつりていすう

物理量の表式に現れて(場合によっては条件つきで)一定とみなされる数。ただし、円周率や自然対数の底(てい)のように数学的に定義されるものを除く。次の3種に分類できる。(1)個々の物質やそれが置かれた条件によらず、つねに一定の値を保つ普遍定数、(2)物質の特性を表現する物質定数、(3)両者の背景をなすものとして、「一秒とは133Cs原子の基底状態の二つの超微細準位間の遷移に対応する放射の9192631770周期のこととする」というように基本単位を決める定数。また、ガリウム融解点を絶対温度302.9146Kとし、金の凝固点を同1337.33Kとするなど、温度に対する国際温度目盛の17の定義定点の値も、精度は劣るが基本単位を決める定数といえる。

[江沢 洋]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「物理定数」の意味・わかりやすい解説

物理定数
ぶつりていすう
physical constant

物理学の法則や方程式に含まれる定数。以前は定数を常数,恒数ともいった。物理定数には3種ある。第1は普遍定数または基礎物理定数と呼ばれ,真空中の光速度やプランク定数のように基礎的な物理法則に現れて,物質の種類に関係しない普遍的な定数である。第2は標準定数または定義定数と呼ばれ,標準重力加速度や標準大気圧のように地表上という特定の条件下での物理現象に共通に現れる物理量の標準値として国際的に約定された定数である。太陽系に関する計算に用いられる天文定数も定義定数である。第3は物質定数と呼ばれ,密度,比熱,電気抵抗のように物理的条件を定めれば物質ごとに特定の値をとる定数であり,物理単位の定義に用いられる重要なものも多数ある。なお,円周率や自然対数の底のように物理的性質に関係しない数学的定数とは区別される。

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