普及版 字通 「牢(漢字)」の読み・字形・画数・意味
牢
7画
[字訓] おり・ひとや・かこむ・いけにえ
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 会意
宀(べん)+牛。宀は家ではなく、牢閑(おり)の象。卜文の牢閑には・に作り、柵かこいの形であるから、に作るのがよい。〔説文〕二上に「閑なり。牛馬をふ圈(けん)なり。牛との省とに從ふ。其の四(めぐ)るに象る」とするが、の省に従う字形ではない。入口が狭く、中が広い牛圏の形である。〔墨子、天志下〕に「人の牢(らんらう)に入りて、人の牛馬を竊(ぬす)む」とあり、(欄)・闌(らん)ともいう。閑字条十二上に「闌なり」とあり、闌圏を設けたところ。その構造は堅牢、そこにおしこめるので牢籠(ろうろう)の意となる。獄舎の意に用いて牢獄という。字を仮借して用いることが多く、牢落は遼落(りようらく)、牢愁・牢騒(ろうそう)は憂愁の意。牢人とは牢騒の人、捜牢・牢灑(ろうさい)は、騒ぎにまぎれて婦女や財物を掠め取ること、牢剌(ろうらつ)はばらばらというほどの擬声語である。
[訓義]
1. おり、牛馬のおり。
2. ひとや、獄。
3. かこむ、こめる、かこいする。
4. 廩(りん)の意。ふちまい、てあて、ちんぎん。
5. ご馳走、牢牲、いけにえ。
6. かたい。
7. かすめとる。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕牢 牛を捕ふるのなり。牛乃波奈豆良(牛のはなづら)〔名義抄〕牢 カタシ・カタム・マタシ・マコト・スクナシ・シル・ハコブ・ヤシナフ・モトホル・コム
[熟語]
牢穏▶・牢衙▶・牢▶・牢幹▶・牢監▶・牢檻▶・牢丸▶・牢記▶・牢九▶・牢具▶・牢堅▶・牢固▶・牢戸▶・牢乎▶・牢獄▶・牢祭▶・牢桟▶・牢子▶・牢死▶・牢実▶・牢舎▶・牢守▶・牢羞▶・牢愁▶・牢承▶・牢燭▶・牢牲▶・牢饌▶・牢壮▶・牢騒▶・牢頭▶・牢肉▶・牢人▶・牢▶・牢密▶・牢門▶・牢憂▶・牢落▶・牢絡▶・牢剌▶・牢利▶・牢良▶・牢廩▶・牢礼▶・牢籠▶
[下接語]
牢・空牢・堅牢・獄牢・獣牢・出牢・小牢・少牢・生牢・牲牢・捜牢・大牢・太牢・中牢・土牢・牢
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報