牛盗人(読み)うしぬすびと

精選版 日本国語大辞典 「牛盗人」の意味・読み・例文・類語

うし‐ぬすびと【牛盗人】

[1] 〘名〙
① 牛を盗む人。牛泥棒。牛ぬすっと。
仮名草子智恵鑑(1660)三「此めしうとは牛盗人なり」
② 無口で動作の鈍い人をののしっていう語。牛ぬすっと。
※蓮如御文章(1461‐98)三「たとひ牛盗人とはよばるとも」
③ 魚「かじか(鰍)」の異名。〔俳諧・糸切歯(1762)〕
[2] 狂言和泉流御所の牛を盗んだ者を訴え出ると、望み通りのほうびを与えるという牛奉行の高札を見て、盗人の子が父親を訴える。父親は捕えられるが、子はほうびとして父親の助命を願って許される。

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デジタル大辞泉 「牛盗人」の意味・読み・例文・類語

うし‐ぬすびと【牛盗人】

牛を盗む人。牛泥棒。うしぬすっと。
口が重く、動作の鈍い人をののしっていう語。
「―と言はれうとも後世願ひと言はれな」〈譬喩尽・四〉
ウキゴリ別名
[補説]狂言の曲名別項。→牛盗人

うしぬすびと【牛盗人】[狂言]

狂言。和泉いずみ。御所の牛を盗んだ者を訴えると褒美は望みしだいという高札を見て、盗人の子が父を訴人し、褒美に父の命ごいをして許される。

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