片食(読み)カタケ

デジタル大辞泉 「片食」の意味・読み・例文・類語

かた‐け【片食】

[名]《「け」は食事の意。「かたげ」とも》朝夕どちらかの食事。江戸時代一日に朝夕二度の食事が普通であったところから生まれた語。かたき。
「たとへ―は食はずとも」〈浮・織留・五〉
[接尾]助数詞。食事の度数を数えるのに用いる。かたき。
三度の御まんまを一―でも好いからひとうちで食べようって云うのが」〈漱石道草

かた‐き【片食】

《「かたけ(片食)」の音変化》
[名]かたけ」に同じ。
[接尾]かたけ」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「片食」の意味・読み・例文・類語

かた‐け【片食】

[1] 〘名〙 朝夕二食うちの、一回の食事。朝食夕食かの、どちらかの食事。かつて食事は朝夕の二度だったので、このことばが生じた。三食の時代になっても、一食の意味で用いられる。かたき。
※玉塵抄(1563)三八「ここらにも管領の細川殿の膳は毎日かたけの分が一貫入目と云ぞ」
[2] 〘接尾〙 食事の度数を数えるのに用いる。かたき。
浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)中「帳面は忘れぬ旅籠(はたご)が六かたけ、酒が四升五合十文盛(もり)が七十杯」
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉下「翌日は二食(カタケ)絶食をする」

かた‐き【片食】

(「かたけ(片食)」の変化した語)
[1] 〘名〙 =かたけ(片食)(一)
[2] 〘接尾〙 =かたけ(片食)(二)
息子(1922)〈小山内薫〉「弁当箱を持って来る。『まだ一かたきぐらゐは残ってる筈だ』」

かた‐じき【片食】

〘名〙
斎宮(いつきのみや)の忌み詞の一つ僧家の斎(とき)をいう。片膳(かたぞなえ)
※皇太神宮儀式帳(804)「斎食を片食と言ふ」
② 一日一回の食事。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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