片割・片破(読み)かたわれ

精選版 日本国語大辞典 「片割・片破」の意味・読み・例文・類語

かた‐われ【片割・片破】

〘名〙
① 物の割れたり破れたりした一片。また、対(つい)になっているものの一方。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)二「天下第一の及第ではあれども、林ではそとの一枝、玉の中ではかたわれほどのことぞ」
歌舞伎彩入御伽草(1808)小平次内の場「夜前手に入れし、鉄山より密書の片割」
② かたよった状態で割れること。また、そのもの。
狂言記・連歌毘沙門(1700)「かたわれもなふ、よふわれた」
③ 身を分けたもの。分身
浄瑠璃・心中刃は氷の朔日(1709)上「おばは親のかたはれ」
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉六「清をおれの片破れと思ふからだ」
④ 仲間の一人。仲間の一部。
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)四「親子は一体。敵の片われ一寸もうごかさぬ」
※新撰六帖(1244頃)一「過ぎかはる宵暁のかたはれを一つにすめる月のかげ哉〈藤原信実〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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