爪牙（読み）そうが

精選版 日本国語大辞典

そう‐が サウ‥【爪牙】

〘名〙 (「が」は「牙」の漢音)

① つめときば。そうげ。

※都氏文集（879頃）三・為源大納言譲陸奥出羽按察使「臣実須_下脚践_二沙漠之地_一、身臨_二胡虜之庭_一、致_二其腰領之誅_一、肆_中其爪牙之鋭_上」 〔色葉字類抄（1177‐81）〕

※金色夜叉（1897‐98）〈尾崎紅葉〉後「彼は忽ち爪牙を露し、陰に告訴の意を示して之を脅し」 〔列子‐楊朱〕

② 主人の手足となって働く家臣。爪牙耳目。そうげ。

※本朝文粋（1060頃）五・為小一条左大臣第一表〈菅原文時〉「伏帷、陛下初継_二聖体_一、新守_二明文_一、龍虎爪牙之群、或前或後」

※新著百種（1889）序〈坪内逍遙〉「頼母しき人々を爪牙とし」 〔春秋左伝‐成公一二年〕

そう‐げ サウ‥【爪牙】

〘名〙 (「げ」は「牙」の呉音) ＝そうが（爪牙）

※太平記（１４Ｃ後）一七「雖_レ非_二鷹犬之才_一、屡忝_二爪牙(サウゲ)之任_一」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

そう‐が〔サウ‐〕【^▽爪牙】

１ つめと、きば。転じて、人を傷つけ、また脅かすもの。魔手。「爪牙をとぐ」
２ 主君や国家を守護する家来。主君の手足となって働く家臣。「爪牙の臣」「爪牙耳目」

出典　小学館