(読み)ただれる

精選版 日本国語大辞典 「爛」の意味・読み・例文・類語

ただ・れる【爛】

〘自ラ下一〙 ただ・る 〘自ラ下二〙 皮膚や肉がやぶれくずれる。腐ってくずれる。腐爛する。比喩的に、精神などが健全さを失うことにもいう。
書紀(720)崇峻即位前(図書寮本訓)「餌香の川原に斬られたる人有り〈略〉頭身(むくろ)既に爛(タタレ)て」
邪宗門(1909)〈北原白秋〉朱の伴奏・納曾利「鋭にわかく、はた、苦く狂ひただるる楽の色」
[補注]「享和本新撰字鏡」に「鯘 魚乃曾己禰太々礼留」とあるが、下一段と見られる語形であって中古の記載としては疑問である。

ただれ【爛】

〘名〙 (動詞「ただれる(爛)」の連用形名詞化) ただれること。ただれたありさま。また、ただれた所。
随筆・嬉遊笑覧(1830)六下「俗に目くされ生姜とて、此市には目のただれなどしたる者の售るを求む

ただら・す【爛】

〘他サ四〙 =ただらかす(爛━)
源氏(1001‐14頃)若菜下「堪へぬ喜びの涙、ともすれば落ちつつ目をさへのごひただらして」

らん【爛】

〘形動タリ〙 ひかりかがやくさま。あざやかなさま。爛然。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三「華榻を列し、華燈を鈎下し、爛として目を射る」 〔詩経‐鄭風・女曰雞鳴〕

ただ・る【爛】

〘自ラ下二〙 ⇒ただれる(爛)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「爛」の意味・読み・例文・類語

らん【爛】[漢字項目]

[音]ラン(呉)(漢) [訓]ただれる
ただれる。くさる。やわらかくなってくずれる。「爛熟糜爛びらん腐爛
あふれんばかりに光り輝く。あざやか。「爛然爛漫爛爛絢爛けんらん燦爛さんらん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android