燕岳
つばくろだけ
長野県西部、北アルプスの南東部にある山。標高2763メートル。常念(じょうねん)岳、大天井(だいてんじょう)岳とともに常念山脈を形成し、槍ヶ岳(やりがたけ)などの前山にあたる。山頂一帯は花崗(かこう)岩の裸地で白く輝いている。山容が燕(つばめ)が羽を広げているようだとか、燕が多いことから燕岳の名がついたといわれる。山頂からの展望はすばらしく、「2000尺(約700メートル)以上の山が94見える」といわれ、西方に高瀬渓谷を隔てて三俣蓮華(みつまたれんげ)岳、南西に槍ヶ岳、穂高(ほたか)岳など、北方に白馬(しろうま)岳や後立山(うしろたてやま)連峰、さらに富士山、南アルプス、浅間山、八ヶ岳(やつがたけ)など、本州中央部の高山を一望することができる。山頂から約1キロメートル南に施設の整った山小屋がある。山麓(さんろく)の中房(なかぶさ)温泉から約6時間の行程でこの山小屋に着く。大天井岳を経て槍ヶ岳への表銀座縦走路の起点にあたり、登山入門者向けの北アルプスでは人気のある山の一つである。
[小林寛義]
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燕岳【つばくろだけ】
長野県,飛騨山脈中央の東縁にある山。標高2763m。北に後立山の諸峰,西に高瀬川をはさんで野口五郎岳,三俣蓮華岳,南に槍ヶ岳を望む。花コウ岩類からなり,白い山はだとハイマツの景観が特徴。中房温泉から燕岳,大天井岳,槍ヶ岳を経て上高地に至る縦走路にあたり,登山者が多い。
→関連項目常念岳
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つばくろ‐だけ【燕岳】
長野県西部、北アルプス南部の山。標高二七六三メートル。山頂は花崗岩(かこうがん)の岩峰。槍ケ岳への縦走路、通称「表銀座コース」の起点。山麓に中房(なかぶさ)温泉がある。
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デジタル大辞泉
「燕岳」の意味・読み・例文・類語
つばくろ‐だけ【燕岳】
長野県北西部、大町市と安曇野市との境にある山。飛騨山脈中部に位置する。標高2763メートル。花崗岩からなり、山頂一帯は風化により独特の景観が連なる。
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つばくろだけ【燕岳】
飛驒山脈中部,長野県大町市と南安曇(みなみあずみ)郡穂高町との境界に位置する山。標高2763m。飛驒山脈の前山をなす常念山脈はこの付近からはじまり,大天井(おてんしよう)岳,常念岳,大滝山と南に続く。燕岳の山名は,ツバメが羽根を広げたような山容によるとも,ツバメが多くすむことによるともいう。山頂付近に南北に連なる稜線は標高約2700mの定高性であり,古くは屛風(びようぶ)岳ともよばれた。山体は中生代白亜紀の花コウ岩で構成されており,森林限界を越える稜線部はマサ(真砂)に風化した砂礫地となっている。
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燕岳
つばくろだけ
穂高町西方にそびえる標高二七六三メートルの山。大町市との境に立地し、中房川の水源をなしている。「長野県町村誌」によると、屏風岳といっている。また、「岳中に熊、猪、猴、兎多し」とある。屏風岳の山名は、黒雲母花崗岩からなる山で、屏風のようにそびえ立つことから命名されたものであろう。
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