熱衝撃(読み)ねつしょうげき(英語表記)thermal shock

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「熱衝撃」の意味・わかりやすい解説

熱衝撃
ねつしょうげき
thermal shock

急激な加熱または冷却によって物体内に急激な温度変化が生じ,それに伴う衝撃的な熱応力のために物体が損傷する現象。材料の熱衝撃強度の評価は,熱衝撃時の板表面の最大熱応力にほぼ比例するビオ係数 β=hμ/k ( h =板厚,μ =板表面の熱伝達率,k =材料の熱伝導率) と熱衝撃係数 K により行う。熱衝撃に耐えうる最大温度変化は熱衝撃係数に比例する。βが小さいときには Kkσβ/Eα ( σβ =材料の引張り強さ,E =材料の縦弾性係数,α=材料の線膨張係数) により評価し,βが大きいときには K=σβ/Eα による。熱衝撃による破壊は,脆性材料で主に問題となる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android