熨斗・熨(読み)のし

精選版 日本国語大辞典 「熨斗・熨」の意味・読み・例文・類語

のし【熨斗・熨】

〘名〙 (「のし(伸)」と同語源)
① 「ひのし(火熨斗)」の略。
※延喜式(927)一四「熨斗(のし)二口、熨(のし)炭卅六斛」
② 「のしあわび(熨斗鮑)」の略。《季・新年》
石山本願寺日記‐私心記・天文四年(1535)正月四日「昼、雑煮〈組付・のし・かとのこ〉一献計也」
方形色紙を細長く上は広く下は狭い六角形にし、ひだをつけて折りたたみ、中に熨斗鮑の細片をはりつけたもの。進物に添えて贈る。
※女重宝記(元祿五年)(1692)五「小笠原流万包様折形の図 熨斗(ノシ)
④ 転じて、祝儀の贈り物。
咄本聞上手(1773)暦「ちっと存寄もござれば、御土産ものしも受ますまい」
⑤ 紋所の名。熨斗鮑の形をあらわしたもの。二つ束ね熨斗、違い熨斗、熨斗の丸、熨斗菱など種々ある。
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部「旗印として熨斗(ノシ)を染め出しても」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android