煮返(読み)にえかえる

精選版 日本国語大辞典 「煮返」の意味・読み・例文・類語

にえ‐かえ・る ‥かへる【煮返】

〘自ラ五(四)〙
① 煮えてわきかえる。にえくりかえる。にえたぎる。沸騰する。
※俳諧・若狐(1652)一「釜の湯の月に成まで煑かへり 聞に地獄沙汰は怖し」
② ひどく腹を立てる。心中に激しい怒りを燃やす。いきり立つ。にえくりかえる。
浄瑠璃曾根崎心中(1703)「九平次めが、けふ生玉にて徳兵衛を、散々に打擲したる由、腸が煮え返り」
③ 湯が煮え立つように騒ぎ立てる。大騒ぎをする。ごったがえす。にえかえす。
浮世草子傾城色三味線(1701)大坂「てっきり血の道でござりませふ。ああ目がまふ目がまふと、にへかへる」

に‐かえし ‥かへし【煮返】

〘名〙 すでに一度煮てある物をもう一度煮なおすこと。また、そのもの。
歌舞伎・染竹春駒(1814)三幕「そこな大鍋に、煮返(ニカヘ)しが仕掛けてござんす」

に‐かえ・す ‥かへす【煮返】

〘他サ五(四)〙 すでに一度煮てあるものをもう一度煮る。煮なおす。
※料理早指南(1801‐04)四「北風のよき酢に、やきしほ少し入、つよき火にて煮(ニ)かへし、さまして遣(つか)ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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