照返(読み)てりかえし

精選版 日本国語大辞典 「照返」の意味・読み・例文・類語

てり‐かえし ‥かへし【照返】

〘名〙
① てりかえすこと。反射反照
※ありのすさび(1895)〈後藤宙外〉二「むづかしい顔をすれば、其の反照(テリカヘシ)で、母の顔色もなほなほ悪くなる」
※ガトフ・フセグダア(1928)〈岩藤雪夫〉一「私はオバアオールの上に古背広を逆に被ってゐた。炉口(フアネス)石炭の照り返しが熱いからだ」
ランプ電灯などの背面につけて、その光を反射させて光力を増加させる凹面鏡などの仕掛け。反射鏡
※或る女(1919)〈有島武郎〉後「玄関のなげしの所に照り返しをつけて置いてあるランプの光を」
③ (光を反射させるところから) はげ頭。また、はげ頭の人をあざけっていう語。

てり‐かえ・す ‥かへす【照返】

〘他サ五(四)〙 他から投射された光線などを反射する。
※俳諧・馬蹄二百句(1683)「泣山に詩を病む隠をあはれみて〈才丸〉 洞庭雨をてりかへす月〈挙白〉」

てり‐かえ・る ‥かへる【照返】

〘自ラ四〙 光があるものに当たって反射する。
※菊池君(1908)〈石川啄木〉一「冷たい日光(ひざし)が雪に照返って」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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