然あれば(読み)シカアレバ

デジタル大辞泉 「然あれば」の意味・読み・例文・類語

しかあれば

そうであるから。そうだから。
「―賢き輩はつひに賢き事もなし」〈宇治拾遺・一五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「然あれば」の意味・読み・例文・類語

そう【然】 あれば

① 前の事柄結果として、後の事柄が起こることを示す。そうすると。それで。
史記抄(1477)一四「世には思も不依人があるものぞ。さうあれは思不依事があるぞ」
人情本・閑情末摘花(1839‐41)四「『今晩只今離縁にしませう』『左様(サウ)あれば是非もないが、お里身分は何様(どう)して下さるな』」
② 前の事柄に対し、話題をやや転換することを示す。さて。そこで。
※虎寛本狂言・今参(室町末‐近世初)「はるばるの所を大儀にこそあれ。さう有れば、折ふし頼ふだ人表へ出られた。白砂(しらす)まで出て目見へをせい」

しか【然】 あれば

接続詞的に用いて、先行の事柄の当然の結果として、後続の事柄が起こることを示す。順態の確定条件。そうであるから。そうだから。だから。しかれば。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「われら昔の犯(をかし)の深さによりて、悪しき身を受けたり。しかあれば、忍辱の心を思ふ輩(ともがら)にあらず」

さ【然】 あれば

(「あれ」は已然形、「ば」は助詞。接続詞のように用いる) 先行の事柄を受けて、後行の事柄が起こることを示す。そうだから。そうすると。さあらば。されば。
※史記抄(1477)一九「失勢ときは次第に人が遠ざかるぞ。さあれば其人が不楽ぞ」

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