無邪気(読み)むじゃき

精選版 日本国語大辞典 「無邪気」の意味・読み・例文・類語

む‐じゃき【無邪気】

〘名〙 (形動)
気性などに、ねじけたところのなく、すなおでなんの悪気もないこと。また、そのさま。
将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉一三「彼の無邪気にして質朴なる農夫等は」
※別れ霜(1892)〈樋口一葉〉七「苦労の色を隠して朋輩の無邪気(ムジャキ)の物語りを笑うて聞く胸ぐるしき思ひに」
② あどけなく、かわいいこと。また、そのさま。
小公子(1890‐92)〈若松賤子訳〉前編「決して、出過ぎといふではなく、ただ無邪気(ムジャキ)に、人懐こいので」
③ 深い考えのないこと。考えの単純なこと。また、そのさま。
落梅集(1901)〈島崎藤村〉雲「われは越しかたの無邪気を記すに躊躇せざるべし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「無邪気」の意味・読み・例文・類語

む‐じゃき【無邪気】

[名・形動]
素直で悪気がないこと。いつわりや作為がないこと。また、そのさま。「無邪気いたずら」「質問無邪気に答える」
あどけなくかわいらしいこと。また、そのさま。「赤ん坊無邪気笑顔
思慮に欠けること。また、そのさま。
両親教師は―にもこの事実を忘れている」〈芥川侏儒言葉
[派生]むじゃきさ[名]
[類語]うぶういういしいあどけないいたいけ無心天真爛漫天衣無縫イノセント罪が無い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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