無茶苦茶(読み)むちゃくちゃ

精選版 日本国語大辞典 「無茶苦茶」の意味・読み・例文・類語

むちゃ‐くちゃ【無茶苦茶】

[1] 〘名〙 (形動) (「無茶苦茶」はあて字。「むちゃ」を強めていう語)
① まったく筋道のたたないこと。道理をかえりみないこと。また、そのさま。めちゃくちゃ。
※雑俳・折句袋(1779)「むちゃくちゃな・栄耀を照す堀江の灯」
② 乱暴に扱ったり乱雑にしたりすること。また、どうにもならない状態になるさま。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「鴆毒(ちんどく)? 持って来い。嘗めて此一生をむちゃくちゃにして見せやう」
③ 程度が並はずれてはなはだしいこと。また、そのさま。
※十三夜(1895)〈樋口一葉〉上「無茶苦茶(ムチャクチャ)にいぢめ立る訳ではあるまいが」
[2] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 乱れもつれるさま、また、立腹や不快でたえがたいさまを表わす語。むしゃくしゃ。
浄瑠璃・双蝶蝶曲輪日記(1749)二「何ぞ言交した詞が立たぬとやらいふやうなむちゃくちゃした事があるさうなぢゃ」
② 筋道のたたないさまを表わす語。
※浄瑠璃・染模様妹背門松(1767)下「又われもむちゃくちゃと、山家屋へいくはいやじゃそふなけれど、コリャ義理の有嫁入」
③ 程度のはなはだしいさまを表わす語。

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デジタル大辞泉 「無茶苦茶」の意味・読み・例文・類語

むちゃ‐くちゃ【無茶苦茶】

[名・形動]むちゃ」を強めていう語。「無茶苦茶を言うな」「無茶苦茶に暴れる」「無茶苦茶値段
[補説]「無茶苦茶」は当て字
[類語]アブノーマル異常特異異状異例非常別条不自然変ちくりん変てこ変てこりん余りおかしい異様奇異奇妙みょう面妖めんよう不思議不可解不審奇怪奇態風変わり妙ちきりんけったいおかしなきてれつ珍奇新奇珍妙奇抜奇警奇想天外突飛ファンシー突拍子もない言語道断滅法法外無理無体理不尽非理不当不条理不合理非合理無茶めちゃめちゃめちゃくちゃ支離滅裂めちゃ乱暴粗暴暴挙ものすごいべらぼうすさまじい強度

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四字熟語を知る辞典 「無茶苦茶」の解説

無茶苦茶

まったく筋道のたたないこと。また、乱暴に扱ったり乱雑にしたりすること。程度が並はずれてはなはだしいことにも言う。

[活用] ―な。

[使用例] 無茶苦茶を云うので、東風先生あきれて黙ってしまった[夏目漱石吾輩は猫である|1905~06]

[使用例] 高ぶるきもちがとどめられなくなり、器物を無茶苦茶に破壊したくなってくるのだ[島尾敏雄*死の棘|1960]

[解説] 「むちゃ」を強めていう語で、「無茶苦茶」はあて字。

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