無縫塔(読み)むほうとう

精選版 日本国語大辞典 「無縫塔」の意味・読み・例文・類語

むほう‐とう ‥タフ【無縫塔】

〘名〙 (「無縫」は無形無相を意味し、卵形にかたどる) 仏語墓石で、台座の上に卵形の石塔婆をのせた形のもの。卵塔。〔正法眼蔵(1231‐53)〕 〔碧巖録‐一八則・本則〕

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デジタル大辞泉 「無縫塔」の意味・読み・例文・類語

むほう‐とう〔‐タフ〕【無縫塔】

卵塔らんとう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無縫塔」の意味・わかりやすい解説

無縫塔
むほうとう

塔婆の形式一つで,四角あるいは八角形の台座の上に,塔身が卵形をなした形のものをいう。卵塔とも呼ばれ,禅僧墓標としてしばしば用いられた。

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世界大百科事典(旧版)内の無縫塔の言及

【塔頭】より

… 塔頭の形態は,卵塔(らんとう),昭堂(しようどう),方丈(ほうじよう),僧堂,書院,庫裏(くり)などから構成される。禅僧の墓を卵塔あるいは無縫塔と呼び,四角,八角の台座に卵形の塔身をのせる。この墓塔を覆い守る堂を套堂(さやどう),祠堂,開山堂などと呼び,これと接続して拝礼する礼堂(らいどう)が昭堂である。…

【塔】より

…木造塔は多層塔(3,5,7,9,13層)と多宝塔が普通である。石塔は日本では小さなものしかなく,形式としては多層塔,多宝塔,宝塔,宝篋印(ほうきよういん)塔,五輪塔,無縫塔,笠塔婆などがある。鉄塔や銅塔には相輪橖(そうりんとう),宝塔,五輪塔などがある。…

【墳墓】より

板碑(いたび)は供養塔として用いられたが,鎌倉時代末以降,とくに室町時代には墓標ともなり,関西地方の一石五輪や半截五輪,地蔵などとともに墓碑として一般的に用いられるようになる。また中世に僧侶の墓標として輸入された無縫塔(卵塔(らんとう))がある。江戸時代初期には位牌状の墓碑などがつくられるようになり,今日の方柱状墓碑へと変化していく。…

※「無縫塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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