無漏(読み)むろ

精選版 日本国語大辞典 「無漏」の意味・読み・例文・類語

む‐ろ【無漏】

〘名〙 (「漏」は煩悩の意) 仏語。煩悩を離れたこと。煩悩のないこと。また、その境地。⇔有漏(うろ)
※勝鬘経義疏(611)摂受正法章「七地以還之行実是真無漏」

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デジタル大辞泉 「無漏」の意味・読み・例文・類語

む‐ろ【無漏】

《「漏」は煩悩ぼんのうの意》仏語。煩悩のないこと。また、その境地。⇔有漏うろ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無漏」の意味・わかりやすい解説

無漏
むろ

仏教用語。漏れるものがないこと,漏泄する不浄なものが尽きていること。ここから,けがれがない,煩悩がないことの意に変った。この反対有漏。仏は五神通 (あるいは六神通 ) を具備するといわれるが,そのなかでも仏を他の聖者と区別する神通として漏尽通がある。一切の漏泄が尽きている神通で,この神通を得ているか否かで仏と他の聖者とを区別する。

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百科事典マイペディア 「無漏」の意味・わかりやすい解説

無漏【むろ】

仏教の用語。漏は人間煩悩(ぼんのう)をさし,それを断滅した状態を無漏という。涅槃(ねはん),悟りと同義。また無漏に達する前の凡夫を有漏(うろ)という。

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