無水ピロメリト酸(読み)ムスイピロメリトサン

化学辞典 第2版 「無水ピロメリト酸」の解説

無水ピロメリト酸
ムスイピロメリトサン
pyromellitic anhydride

C10H2O6(218.12).無水ピロメリット酸ともいう.ベンゼン核に4個のカルボキシル基が1,2,4,5の位置についたものをピロメリト酸といい,このうち隣接したカルボキシル基から水を除去したものをいう.工業的製法には,1,2,4,5-テトラメチルベンゼン(ジュレン)を酸化する方法およびアントラセンを出発原料とする方法などがある.白色固体.融点287 ℃,沸点397~400 ℃.1.68.芳香族ジアミンと耐熱,耐薬品性のポリイミド樹脂をつくる.エステル化して塩化ビニル樹脂可塑剤に使われる.[CAS 89-32-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の無水ピロメリト酸の言及

【メリト酸】より

…水,エチルアルコールに可溶。蒸留すると無水ピロメリト酸と二酸化炭素に分解し,塩化アセチルや塩化ベンゾイルと熱すると無水メリト酸になる。(化学式)木炭や黒鉛を硝酸で酸化すると得られる。…

※「無水ピロメリト酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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