精選版 日本国語大辞典 「無名」の意味・読み・例文・類語
む‐みょう ‥ミャウ【無名】
[1] 〘名〙 (「みょう」は「名」の呉音)
① =むめい(無名)①
② =むめい(無名)②
※菅家文草(900頃)四・小知章「好是無名客、茫々六気幽」
③ =むめい(無名)③
※九位(1428頃)「徒に下三位より入門したる為手は、無道・無名の芸体として、九位の内とも云難かるべし」
④ =むめい(無名)④
※続日本紀‐天平宝字二年(758)八月庚子「聖以二無名一体レ道、非レ名安可レ詮二其用一」
⑤ 仏語。名づけようがないこと。概念化して理解することができないこと。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)五「生ぜず、出せず、起せず、無名(ムミャウ)(〈注〉ナナキ)なり、無相なり、実に所有なし」
[2] 平安時代に伝わった琵琶の名器の名。
※枕(10C終)九三「無名といふ琵琶の御琴を、上の持てわたらせ給へる」
む‐めい【無名】
〘名〙
① 名を書かないこと。名がないこと。また、名のわからないこと。むみょう。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四七「往々著書家に無名(ムメイ)の書を投じ」 〔晉書‐十壺伝〕
② 世間に名が知られていないこと。有名でないこと。むみょう。
なき【無】 名(な)
② ⇒ない(無)名
ない【無】 名(な)
① ⇒なき(無)名
② めったにない名前。珍しい名前。
※浄瑠璃・心中天の網島(1720)上「小春殿、李韜天とは、ない名を付けて下された。先づ礼から言ひましょ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報