精選版 日本国語大辞典 「無刀流」の意味・読み・例文・類語
むとう‐りゅう ムタウリウ【無刀流】
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1880年(明治13)3月、山岡鉄舟が創始した剣術の一流派。鉄舟は通称鉄太郎、幼少のころから剣を好み、20歳のとき講武所(こうぶしょ)剣術世話役にあげられるほどの腕前であったが、1863年(文久3)浅利又七郎義明(あさりまたしちろうよしあき)の門に入って中西派一刀流の奥義を得た。また禅学に打ち込み、願翁、星定、滴水、洪川らの名僧に参禅し、剣禅ともに悟道して無敵の境地に到達したという。1884年一刀流正統小野業雄(おのなりお)より正伝の奥秘と小野家伝の瓶割刀(かめわりとう)を授けられ、正式の流名を一刀正伝(いっとうしょうでん)無刀流と称した。その前年11月、四谷(よつや)の自邸裏庭に8間に3間半の剣道場を新築し、春風館(しゅんぷうかん)と命名した。ここに集まる者は中条金之助(ちゅうじょうきんのすけ)、小南(こみなみ)易知、高橋道太郎(泥舟の息)をはじめ長谷川運八郎、中田誠実、多門正文(たもんまさぶみ)、松平莞爾、鯉淵(こいぶち)正道、中村定右衛門、香川善次郎、籠手田安定(こてだやすさだ)、北垣国道(きたがきくにみち)、柳多(やなぎだ)元治郎ら多士済々(たしさいさい)であった。その修行法は勝敗よりも精神を練ることを専一とし、その厳しさには定評があった。
[渡邉一郎]
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※「無刀流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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