無仏世界(読み)むぶつせかい

精選版 日本国語大辞典 「無仏世界」の意味・読み・例文・類語

むぶつ‐せかい【無仏世界】

〘名〙
仏語。仏のいない世界釈迦入滅した後、彌勒菩薩がまだ現われない間の時代。この間は地蔵菩薩が出現して、衆生を救うという。
※貞享版沙石集(1283)一「地蔵は〈略〉無仏世界の導師、本師付嘱の薩埵也」 〔除蓋障菩薩所問経‐一二〕
仏教恩沢のおよばない土地文化の至らない田舎
古本説話集(1130頃か)六五「よしなし、さる無仏世界のやうなる所に、いかじ。ここに居なむと思ふ心つきて」
③ (形動) 思いやりの心がないこと。無慈悲であること。また、そのさまやその人。
日葡辞書(1603‐04)「Mubutxecaina(ムブツセカイナ) モノ」
知恵のない者。愚か者。〔諺苑(1797)〕

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デジタル大辞泉 「無仏世界」の意味・読み・例文・類語

むぶつ‐せかい【無仏世界】

仏語。仏のいない世界。釈迦が入滅してから弥勒菩薩みろくぼさつが出現するまでの世界。この間は地蔵菩薩が衆生を救うという。
仏教の及ばない土地。文化の及ばない土地。
「―の孤島に生まれて」〈読・弓張月・後〉

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