精選版 日本国語大辞典 「無下に」の意味・読み・例文・類語
むげ‐に【無下に】
〘副〙
① 全くその状態であるさまを表わす語。すっかり。まったく。完全に。
※蜻蛉(974頃)上「こどもあまたありときくところも、むげにたえぬときく」
② その状態がはなはだしいさまを表わす語。ごく。ひどく。やたらに。
※枕(10C終)八七「むげになかよくなりて、よろづのことかたる」
※今昔(1120頃か)一九「病无下に重く成ぬれば」
③ (下に打消を伴って) そのことを全面的に否定する語。すこしも。全然。いっこうに。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「はづかしさいはむかたなけれど、むげにきこえざらんもわかわかしければ」
④ 冷酷・無情な態度で事を行なうさまを表わす語。すげなく。冷たく。
※日葡辞書(1603‐04)「Mugueni(ムゲニ) コロサレタ」
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