無一物(読み)むいちもつ

精選版 日本国語大辞典 「無一物」の意味・読み・例文・類語

む‐いちもつ【無一物】

〘名〙 何も持っていないこと。何ひとつ無いこと。むいちぶつ。
※土井本周易抄(1477)三「太極は无極ぢゃ程に无一物なぞ」
暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉三「泥棒に入られて今は殆ど無一物(ムイチモツ)になっちまったと云ふんだがね」 〔李白‐寄上呉王詩〕

む‐いちぶつ【無一物】

※別れ霜(1892)〈樋口一葉〉二「無一物(ムイチブツ)ほど気楽なるはあらざるべし」

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デジタル大辞泉 「無一物」の意味・読み・例文・類語

む‐いちぶつ【無一物】

何もないこと。何も持っていないこと。むいちもつ。「戦争無一物になった」
[類語]無一文むいちもん無一物むいちもつ一つすってんてん文無し裸一貫丸裸身すがらおけら素寒貧

む‐いちもつ【無一物】

むいちぶつ(無一物)」に同じ。

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