無なる・亡なる(読み)なくなる

精選版 日本国語大辞典 「無なる・亡なる」の意味・読み・例文・類語

なく‐な・る【無なる・亡なる】

〘自ラ五(四)〙
① ないようになる。ない状態になる。あったものが消えて見えなくなる。消滅する。紛失する。滅ぶ。
※岩淵本願経四分律平安初期点(810頃)「五百の梨奢い仏の辺に在りて、復た威神も无(なクナリ)ぬ」
※竹取(9C末‐10C初)「弓矢をとり立てんとすれ共、手に力もなくなりて」
② 人が死ぬことをやや婉曲にいう語。尊敬表現や謙譲表現を用いるべき人に対しても、単に「なくなる」ということもできる。死去する。
伊勢物語(10C前)一一一「昔、をとこ、やむごとなき女のもとに、なくなりけるをとぶらふやうにて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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