為せば成る(読み)なせばなる

ことわざを知る辞典 「為せば成る」の解説

為せば成る

どんなことでも、強い意志をもって実行すれば成就できる。

[使用例] 自分の力の及ぶ限り、これ以上は自分の力ではどうにもならないというところまで工風し、押しつめていってこそ、はじめて、大いなる神仏のお力がそこに降されるのであります。〈略〉なせば成るなさねば成らぬ何事も、ならぬは人のなさぬなりけれ……の歌は、この辺りのことをうたったものであろうと存じます[上村松園*青眉抄|1943]

[解説] 江戸時代米沢藩主上杉ようざん書状に見える歌「なせばなるなさねばならぬ何事もならぬは人のなさぬなりけり」が、一般には出典として広く知られています。ただし、「書経太甲・下」に思慮を十分にめぐらし、進んで実行することの大切さを説いた「ああ、おもんぱからずんばなんぞん、為さずんばなんぞ成らん」があるほか武田信玄にも同想の歌「なせばなるなさねばならぬなる業をならぬと捨つる人のはかなさ」があるといいます。

英語〕Where there's a will, there's a way.(意志のあるところには道がある)

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故事成語を知る辞典 「為せば成る」の解説

為せば成る

どんなことでも、強い意志をもって実行すれば、成し遂げることができるということ。

[使用例] 工夫をこらしてゆけば、そこに天の啓示があるのです。なせばなる――の歌は、この最後の、もう一押し、一ふんばりを諦めすてることの弱い精神に鞭打つ言葉であろうと思います[上村松園*青眉抄|1943]

[由来] 一八世紀、江戸時代中期の米沢藩(現在の山形県内)の藩主、上杉ようざん手紙に出て来る、「せば生る成さねば生らぬ何事も生らぬは人の生さぬなりけり」という和歌から。ただし、戦国時代武将、武田信玄にも似たような歌があるそうです。

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