火灯窓(読み)カトウマド

デジタル大辞泉 「火灯窓」の意味・読み・例文・類語

かとう‐まど〔クワトウ‐〕【火灯窓】

上部が尖頭アーチ状の窓。唐様建築に初めて使われた。源氏窓。花頭窓

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「火灯窓」の意味・わかりやすい解説

火灯窓
かとうまど

火灯形の窓枠をもつ窓。禅宗建築に用いられた窓であったが、形が優美なことから禅宗建築に限らず、社寺や住宅、城郭にも取り入れられた。窓の内側には明(あかり)障子板戸を立てる。また、窓枠の中に格子を入れるものもある。古式火灯窓は立ち上りが直線に近い形になるが、だんだんと裾(すそ)が広がるようになり、その形から花頭窓の字もあてられるようになった。また、単にアーチ状の開口部で上や脇(わき)の壁を塗り回したものも火灯と称し、このような形の出入口を火灯口という。

[工藤圭章]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「火灯窓」の解説

火灯窓
かとうまど

花頭窓とも。寺社建築などで,上部が数個曲線からなる形の窓。元来は禅宗様(ぜんしゅうよう)のものだが,のちには住宅建築にも用いられた。古いものは両側縦框(たてがまち)の下部が垂直だが,しだいに開くようになる。上部の曲線は火灯曲線といい,鎌倉市の円覚寺舎利殿などでは扉口の上部にも使われる。

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