潮時(読み)しおどき

精選版 日本国語大辞典 「潮時」の意味・読み・例文・類語

しお‐どき しほ‥【潮時】

〘名〙 (古く「しおとき」とも)
水が満ちる、また、引く時。
※伊勢記(1186)「しほときいかがあらむ、いまはみなとにはのぞみぬらむかし」
物事を行なったりやめたりするのに適する時。好機
※雑俳・大黒柱(1713)「むりにまでしほ時の有る男にて」
③ 時期。時間。特に出産や死亡の時についていう。
※俳諧・伊勢山田俳諧集(1650)寄合車座にゐていらつ門出 塩時のよきとさいさいつけて来ぬ」
※大つごもり(1894)〈樋口一葉〉下「今朝よりのお苦るしみに潮時(シホドキ)は午後、初産なれば」
④ 潮が変化し、魚がよく(え)を食うようになった時をいう。

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デジタル大辞泉 「潮時」の意味・読み・例文・類語

しお‐どき〔しほ‐〕【潮時】

潮の満ちる時、また、引く時。
物事を始めたり終えたりするのに、適当な時機。好機。「潮時を待つ」「ピッチャー交代の潮時
時間。特に、一日のうちで出産や死亡の多く起こる時間。潮の干満の時刻に合わせて起こるからという。
[補説]2について、文化庁が発表した平成24年度「国語に関する世論調査」では、本来の意味とされる「ちょうどいい時期」で使う人が60.0パーセント、本来の意味ではない「ものごとの終わり」で使う人が36.1パーセントという結果が出ている。
[類語]時機機会チャンス好機時節頃合い頃おいときおり機運潮合い時宜機宜好期適期時分時分どき商機勝機戦機千載一遇タイミングめった得難いまれかけがえのない希有けう盲亀もうき浮木ふぼく一期一会いちごいちえ見せ場決め所思いがけない思いがけず待てば甘露の日和ひよりあり折よく僥倖ぎょうこうここぞ一世いっせ一代最初で最後図らずも決定的瞬間契機

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