漿液(読み)しょうえき

精選版 日本国語大辞典 「漿液」の意味・読み・例文・類語

しょう‐えき シャウ‥【漿液】

〘名〙
① しる。つゆ
※牙氏初学須知(1875)〈田中耕造訳〉四上「漿液を含むが故に、膨脹して大塊を成す者あり、球根と名づく」
粘性物質の少ない比較的さらさらした分泌液。涙や唾液など。粘液に対していう。
※七新薬(1862)三「急性の腹水腫、及び胸膜間漿液滲出の症に用ひて効あり」
漿膜から分泌される透明な液。臓器摩擦を防ぐ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「漿液」の意味・読み・例文・類語

しょう‐えき〔シヤウ‐〕【×漿液】

粘性物質を含まない、比較的さらさらした透明な分泌液。胃液などの消化液、漿膜からの分泌液など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「漿液」の意味・わかりやすい解説

漿液
しょうえき

動物体内にあり、ムチンを含まず無機塩類タンパク質を含む粘性の少ない液をいう。粘液の対語涙腺(るいせん)から分泌される涙や、唾液腺(だえきせん)から分泌される唾液の一部をなし消化酵素を含むものなどがある。そのほか、腹膜腔(こう)、心膜腔胸膜腔などの漿膜腔にもあり、臓器の摩擦を防いでいる。

[内堀雅行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「漿液」の意味・わかりやすい解説

漿液
しょうえき
serum

漿液腺 (→ ) から分泌される,蛋白質 (酵素) を多く含む粘性の低い液をいう。ムチンを含まず,成分としては水のほか無機塩類,蛋白質が含まれる。唾液腺では,漿液のなかに消化酵素が含まれている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「漿液」の読み・字形・画数・意味

【漿液】しようえき

汁。

字通「漿」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の漿液の言及

【粘液】より

…生体内でつくられる粘性の高い液体をいい,粘液腺mucous glandで生産,分泌される。これに対して,漿液(しようえき)腺でつくられる粘性の低い液体は漿液と呼ばれる。環形動物,軟体動物(ナメクジ),魚類(ウナギ),両生類には皮膚の表皮細胞の間に粘液腺として皮膚腺があり,粘液を分泌して体表をおおい,これを保護するものがある。…

※「漿液」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android