漸教(読み)ゼンキョウ

デジタル大辞泉 「漸教」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐きょう〔‐ケウ〕【漸教】

仏語。平易な教えから始め、順次に深い悟りを得るようにする教法。→頓教とんぎょう

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精選版 日本国語大辞典 「漸教」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐きょう ‥ケウ【漸教】

〘名〙 仏語。長い間修行を積んだ後に悟りに至ることを説く教え。また、やさしい教えから深奥な教えに次第に進み入らせる法門
末燈鈔(1333)八「二教といふは、一には頓教、二には漸教なり」 〔大品経遊意〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「漸教」の意味・わかりやすい解説

漸教
ぜんきょう

頓教・漸教」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の漸教の言及

【教相判釈】より

…ほかにも竺道生の教判を発達させた劉虬の七階の教判などもあった。 次にこのような南朝前半期仏教が北朝後半期仏教に輸入されて発達していくころに,智誕が南朝系教判の《法華経》までは漸教であって不了義(不完全な教義)であり最後の《大般涅槃経》だけが頓教であって了義であるという二教教判を提出したのではないかと考えられる。さらに北朝後半期仏教が慧光を初代僧統として展開して《十地経論》《華厳経》などの研究理解が深化したところで,声聞,独覚,菩薩乗が別教であり《法華経》が通教であり《涅槃経》《華厳経》《大集経》が通宗教であるが,《涅槃経》までは漸教であり《華厳経》こそが円頓教であるという教判などが成立した(敦煌写本,スタインNo.613参照)。…

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