漂蕩・飄蕩(読み)ひょうとう

精選版 日本国語大辞典 「漂蕩・飄蕩」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐とう ヘウタウ【漂蕩・飄蕩】

〘名〙
① 水にただようこと。船が櫓櫂や帆を損傷したり失ったりして波にもまれただようこと。
※続日本紀‐文武四年(700)三月己未「比海中、船漂蕩不進者七日七夜」
② 風でゆれ動くこと。転じて、さまようこと。さすらうこと。漂泊
※東大寺所蔵梵網戒本疏日珠鈔巻二七裏文書‐(建治三年)(1277)四月一二日・凝然書状「此間、連日漂蕩諸方候。久不参仕候」
浄瑠璃・安宅高館(1655‐58頃)六「ひゃうたうする兵を十七八き切ふせ」 〔杜甫‐遣興詩〕
風害を受けること。
空華日用工夫略集‐応安三年(1370)九月二三日「円覚風損。余室為最。嗟乎、去年九月三日、被飄蕩、今年又甚、奈何奈何」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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