漂流型海洋気象ブイロボット(読み)ひょうりゅうがたかいようきしょうブイロボット

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

漂流型海洋気象ブイロボット
ひょうりゅうがたかいようきしょうブイロボット

海上に漂流するブイ無人気象観測器具を設置したもの。気象庁では,1978年から 6個の気象ブイロボット(海上に係留したブイ)を日本近海に設置し,風向風速,気温,湿度気圧水温,波高,波の周期,日射量の海上気象観測を 3時間ごとに続けていた。その後,海上への気象ブイロボットの配備を簡便かつ安全に行なえるよう小型化し,波浪の観測に適した形状として漂流型海洋気象ブイロボットを開発し,2000年度から日本周辺の海域で運用を開始した。2007年度から使用しているブイの形状は,直径 46cmの球形で重量は約 30kg。観測種目は気圧,海面水温,波浪(波高,波周期)で,通信衛星を経由し,通常 3時間ごとに観測値およびブイの位置を通報する。観測データの少ない海洋上では,船舶による海上気象観測・通報は非常に貴重である(→海洋気象観測船)。なお,電池容量の制限から稼働寿命は数ヵ月であるが,適切な間隔で継続的に投入・運用されている。

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