滴・瀝(読み)したたる

精選版 日本国語大辞典 「滴・瀝」の意味・読み・例文・類語

した‐た・る【滴・瀝】

〘自ラ五(四)〙 (「下垂る」の意。古くは「しただる」)
① 水などがしずくとなって、下に垂れ落ちる。
書紀(720)神代上(兼方本訓)「その矛の鋒(さき)より、滴瀝(シタタル)(しほ)、凝って一の島(しま)に成(な)れり」
※徒然草(1331頃)一三七「大きなる器に水を入れて、細き穴を明けたらんに、しただる事少しといふとも、怠る間なく洩りゆかば、やがて尽きぬべし」
② (水が垂れて来そうであるというところから) みずみずしい鮮やかさが現われる。また、感情などがあふれるばかりである。
※火の柱(1904)〈木下尚江〉一三「緑滴(シタタ)らんばかりなる丈なす黒髪」
③ 下に垂れ下がる。
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)雲岸寺「谷道遙に、松杉黒く、苔しただりて」

した・つ【滴・瀝】

〘他タ下二〙 (古くは「したづ」「しだつ」) したたらせる。そそぐ。流す。
※書紀(720)孝徳即位前(北野本訓)「皇天(あめ)、手を我に仮りて、暴逆(あらひと)を誅(ころ)し殄(た)てり。今共に心の血(まこと)を瀝(シタツ)
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二「雨は暴霖急雨なし、温熱やや退けば、陰雲日に連りて、霏霏の雨をしだつ」

した‐たり【滴・瀝】

〘名〙 (動詞「したたる(滴)」の連用形の名詞化。古くは「しただり」) 水などがしたたること。また、したたるもの。しずく。点滴。したたれ。《季・夏》
山家集(12C後)下「水ひたる池にうるほふしたたりを命にたのむ魚くづやたれ」
※古文真宝笑雲抄(1525)一「なぜに盞のしたたりまないたのなまぐさきをたづねまわるや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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