滝和亭(読み)たきかてい

精選版 日本国語大辞典 「滝和亭」の意味・読み・例文・類語

たき‐かてい【滝和亭】

幕末明治画家江戸の人。本名謙。字(あざな)は子直。別号蘭田。長崎遊学同地の臨済僧鉄翁祖門(てっとうそもん)の門にはいり南宋画を極めた。花鳥画にすぐれ、のち帝室技芸員となる。天保三~明治三四年(一八三二‐一九〇一

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デジタル大辞泉 「滝和亭」の意味・読み・例文・類語

たき‐かてい〔‐クワテイ〕【滝和亭】

[1832~1901]幕末から明治の画家。江戸の生まれ。本名、謙。あざなは子直。別号、蘭田。南画を学び、花鳥画にすぐれた。

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朝日日本歴史人物事典 「滝和亭」の解説

滝和亭

没年:明治34.9.28(1901)
生年:天保13.1.3(1842.2.12)
明治期の日本画家。江戸千駄ケ谷村(東京都渋谷区)生まれ。本姓田中,名は謙,字は子直。16歳のとき大岡雲峰に入門し,嘉永3(1850)年長崎に遊学,僧鉄翁,木下逸雲,清人陳逸舟らと交わり,明清画を学ぶ。同6年以降14年間にわたって北越を漫遊。明治維新後,内国勧業博覧会受賞を続け,竜池会,東洋絵画会,日本美術協会にわたって日本画旧派の重鎮として活躍。中国画論にも通じ,西洋美術の摂取を図った新派に対して,伝統美術を守ることに意を注いだ。明治26(1893)年帝室技芸員となる。東京帝国大学の東洋日本美術史の初代教授となり,美術雑誌『国華』を主宰した滝精一は,和亭の長男である。

(佐藤道信)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「滝和亭」の解説

滝和亭 たき-かてい

1832-1901 明治時代の日本画家。
天保(てんぽう)3年1月3日生まれ。はじめ大岡雲峰に,のち長崎で鉄翁祖門(てっとう-そもん)にまなぶ。明治6年ウィーン万国博,26年シカゴ万国博などに出品して受賞。花鳥画を得意とし,宮内省,外務省の絵画御用をつとめ,帝室技芸員となった。明治34年9月28日死去。70歳。江戸出身。本姓は滝宮。名は謙。字(あざな)は子直。別号に蘭田。

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