滅相(読み)メッソウ

デジタル大辞泉 「滅相」の意味・読み・例文・類語

めっ‐そう〔‐サウ〕【滅相】

[名]仏語
四相の一。因縁によって生じた一切のものが現在の存在から滅し去り、過去に入ること。
真如常住寂滅であり、生死がないこと。
[形動][文][ナリ]あるはずのないさま。とんでもないさま。「滅相なことを言うものではない」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「滅相」の意味・読み・例文・類語

めっ‐そう ‥サウ【滅相】

〘名〙
① 仏語。
(イ) 四相の一つ。因縁によって生じた一切の存在を過去の存在として滅しさるもの。滅せしめる、その原因。
今昔(1120頃か)六「小乗の滅没するは即ち大乗の滅相也」 〔三蔵法数‐一五〕
(ロ) ものの滅びてゆくそのすがた、そのあらわれ。
愚管抄(1220)六「試にも仏法の滅相うたがいなし」
(ハ) 真如の常住で寂滅である相。〔法華経‐薬草喩品〕
② (形動) なみはずれていること。法外なこと。また、そのさま。むやみやたら。滅法。
浮世草子・元祿大平記(1702)二「此方におぼへのない事を、ただめっさうにもがり舟、つなぎとむべきやうもなし」
③ (形動) あるはずのないこと。とんでもないこと。また、そのさま。
※浮世草子・元祿大平記(1702)七「これめっさうな道春様。いかに覚えがよいとても、そふした事がことごとく心に残りある物か」

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