溶体
液体状態にある均一な混合物.固体状態をとる場合は固溶体という[長倉ほか : 1998].一般には液体成分(溶媒)の中にこれより少量の固体,液体または気体成分が溶質として溶解したものであるが[片山ほか : 1970],固溶体(solid solution),熔融体または溶液(liquid solution)および気溶体(gaseous solution)のすべて,あるいは一部の総称という考えもある[ゴードン : 1971].
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溶体
ようたい
solution
2種以上の物質が均一相をなす混合物。固相のときを固溶体,液相のときを溶液,気相のときを混合気体という。空気は窒素と酸素を主成分とする混合気体であり,黄銅(真鍮)は銅と亜鉛の固溶体である。すべての気体は常圧なら混合が可能であるが,高圧下ではその性質は限定的となる。多くの金属は液相で混合することができる(→合金)。
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よう‐たい【溶体】
〘名〙 二種またはそれ以上の物質が均質な混合物となり、機械的操作では分離できないもの。液体状のものを溶液、固体状のものを固溶体という。〔稿本化学語彙(1900)〕
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デジタル大辞泉
「溶体」の意味・読み・例文・類語
よう‐たい【溶体】
2種以上の物質が均一な混合物をつくっているもの。混合物が液体の場合は溶液、固体の場合は固溶体、気体の場合は混合気体という。
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ようたい【溶体 solution】
均一な相からなる混合物。均一な相が気体である場合は混合気体,液体の場合は溶液,固体である場合は固溶体という。ただし,混合気体は条件(低温においてとか,成分の分子量の差が大きいとか)によって,不均一になる場合もありうる。一般に混合物は,各成分に分離する場合に,外からそれほど大きなエネルギーを加えないで容易に分離できるもの(たとえば,ふるいやフィルターで分けるとか,弱い遠心力をかけるとかだけで分離できるもの)と,かなりのエネルギーを外から加えて(たとえば加熱するとか強い遠心力をかけるなど)はじめて分離できるものとに分けられる。
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