精選版 日本国語大辞典 「溝鼠」の意味・読み・例文・類語
どぶ‐ねずみ【溝鼠】
〘名〙
① ネズミ科の哺乳類。クマネズミとともに代表的な家ネズミ。体長二〇~二五センチメートル、尾は体長よりやや短い。体の上面は褐色で下面は白色、ときに全身黒色や白色のものもある。雑食性で、どぶや下水道を通路とし、人家の台所に現われる。ペスト菌を媒介することがある。アジア中央部の原産とされるが、一八世紀はじめにヨーロッパに広がり、現在では世界中に分布する。しちろうねずみ。
※滑稽本・六阿彌陀詣(1811‐13)三「庇合(ひあはい)の痩犬、ながしの下の泥鼠(ドブネズミ)、子をおもわぬものはねへが」
② (①の体色から) 黒ずんだねずみ色。こいねずみ。
※洒落本・青楼惚多手買(1789‐1801)一「どぶ鼠のもめんぶとりのきものの上に」
③ 悪事を働く者をおとしめていう。
※咄本・落噺顋懸鎖(1826)五「此御屋敷へしのび入、盗みくひするどぶねずみ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報