精選版 日本国語大辞典 「源博雅」の意味・読み・例文・類語
みなもと‐の‐ひろまさ【源博雅】
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
平安中期の雅楽家。醍醐天皇皇子克明親王(よしあきらしんのう)の長男。母は藤原時平の娘。臣籍に下り源姓を賜る。934年(承平4)従四位下で出身、京官を歴任し、974年(天延2)に従三位皇太后宮権大夫(こうたいこうぐうごんのだいぶ)に任じられた。そのことから博雅三位といわれたが、音楽の才に恵まれ、琵琶、笛、和琴(わごん)、篳篥(ひちりき)をはじめとする諸楽に通じ、古今の名手とうたわれた。作曲も行い、退出に用いられる「長慶子(ちょうげし)」は有名であり、笛譜『新撰楽譜』『博雅笛譜』は村上天皇の命で撰上されたものである。音楽の逸話が多く、逢坂山に棲む蝉丸(せみまる)のもとに三年間通い続けて琵琶の秘曲「流泉(りゅうせん)」、「啄木(たくぼく)」を伝授されたとか、失われた宮中の琵琶「玄象(げんじょう)」を羅城門の鬼から返してもらった話は、楽書や説話集に記され広く知られている。
[植木行宣]
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…この傾向はその後も続き,10世紀に入ると〈御遊〉という形で,もっぱら鑑賞のために管絃などが行われるようになった。 このような風潮のうちで邦人作曲家によって外来楽の様式を模した作品が多くつくられ,大戸清上(おおとのきよかみ)の《北庭楽》《拾翠楽》《海青楽》《壱団橋》,藤原忠房の《延喜楽》,源博雅の《長慶子(ちようげし)》など,その多くは今日も演奏されている。また9世紀前半ころに催馬楽,10世紀末までには朗詠という,いずれも声楽中心の新しい種目がつくられた。…
…現在でも演奏会の最終曲として必ず奏されるし,儀式のときの参会者の退場音楽としても演奏する。平安時代中期に,琵琶,箏,笛,篳篥(ひちりき)などの名手として活躍した源博雅(みなもとのひろまさ)(博雅三位)が作曲したとも改作したとも伝える。立楽(たちがく)や管絃のときは管絃吹で,舞楽の退出音声のときは舞楽吹で吹かれる。…
※「源博雅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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